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町政情報
長い間、山里の暮らしに寄り添ってきた在来の野菜たち。みずみずしいウリ、もちもちしたナスの食感、辛さの限界を知る唐辛子に出会うとき、野菜本来の味と「自然を食べることのすばらしさが実感できます。
三遠南信の県境域には、いわゆる限界集落と呼ばれる山里が数多くありますが、「鈴ケ澤」もその一つです。町の中心部から約20キロ、平谷村境の標高900Mの山間にあり、5戸10人にも満たない人たちが支え合いながら元気に暮らしています。
夏には、どの家の畑にも、一軒の家では食べきれないほどたくさんのナスやウリの苗を植えてきました。それは、ここでしか取れない珍しい野菜を、時たま訪れる人に「おすそわけする」ことを無情の喜びとしているからです。そればかりではなく、塩漬けにするのもさまざまな料理に使って厳しく長い冬に備えるための智恵として、父祖の代からずっと受け継がれてきたものです。
日本各地で、収量が多く栽培が容易な品種に押され、消えて行った在来の野菜も多くありますが、私たちは、手間を惜しまず在来の野菜を伝えつないで来た鈴ケ澤の人々の暮らしと、それに長い間寄り添ってきた在来の野菜から、「ふるさとの心」と「食べることの根源」を教えてもらっている思いがします。
近年は、「南信州おひとよし倶楽部」が、鈴ケ澤の伝統野菜保存を行っています。
収穫期には、町内の道の駅やかじかの湯の直売所に出荷・販売を行っています。